日本人の高血圧人口は4,000万人を超えると言われており、最もよく聞く病気のひとつです。ご自身だけでなく身近な人も含めれば、高血圧で悩んでいる人は周りに必ず数名いるはずです。放っておくと突然死を招くこともあるため何とかして血圧は下げたいものですが、降圧剤に頼りきりになるのも不安がありますね。一生飲み続けることによる副作用は大いに気になります。

西洋医学がダメなら東洋医学を試そうと思われる方もいるでしょう。特に高麗人参は知らない人はいないほど有名な漢方成分。サプリメント状のものなら購入も摂取も簡単なので取り組みやすいのですが、果たしてどんな商品でも効果はあるのでしょうか。
今回は特に高血圧に悩む人へ、高麗人参サプリの効果や副作用、間違いのない商品の選び方について詳しく解説していきます。

高血圧と高麗人参の知られざる関係性

疑問を持つ女性

さて、高麗人参にはどのようなイメージを持たれていますか?
栄養ドリンクなどの成分にもよく含まれているため、どちらかというと精力維持のためのもの。元気がない時のパワー源とはなるけれど、高い血圧を下げる効果はない…というのが流布している一般的な印象なのではないでしょうか。
実はそのイメージ、半分正解で、半分は誤りなのです。
ここでは、高血圧と高麗人参の関係にスポットを当て、通常あまり知ることができない秘密に迫っていきましょう。

ポイントはこれ!有用成分ジンセノサイド

高麗人参と高血圧の関係を考えるに当たり、最も重要なのはその成分について正しく理解することです。まずは高麗人参の主成分であるジンセノサイドについて解説していきましょう。

ジンセノサイドはその成分組成によって、「ジオール系」と「トリオール系」に分類することができます。それぞれ以下のような特徴をもっており、性質が異なっていることに着目です。
  • ジオール系ジンセノサイド
  • 中枢神経を抑制する作用があります。高麗人参では根っこの部分に多く含まれています。

  • トリオール系ジンセノサイド
  • 中枢神経を興奮させる作用があります。高麗人参では葉や実の部分に多く含まれています。

血圧に対しての働きかけでいえば、「低い血圧を上げる」のがトリオール系ジンセノサイド、逆に、「高い血圧を下げる」のがジオール系ジンセノサイドというわけです。
一般的な精力剤などに主に含有されているのはトリオール系ジンセノサイド。疲れた身体をシャキシャキにするために入れています。「高麗人参は血圧を上げるためのもの。高い血圧を下げるための効果はない」という誤解はここから来たものと思われます。

ジンセノサイド、どの部分にどれだけ含まれている?

さてこの2種類のジンセノサイド、実や葉、根っこなど高麗人参の部位や、収穫時期、生成過程によって配合バランスが大きく変わってきます。例えば既に述べたように、実や葉にはシャキシャキタイプのトリオール系が多く、根にはまったりタイプのジオール系が多く含まれています。

シャキシャキ感を重視した精力剤にはトリオール系が多めに含まれています。一方で、漢方サプリメントを作る際はトリオール系が多く含まれている葉っぱや実の部分は全て廃棄し、根っこの部分だけを使うことがほとんどです。

ここがキモ!ジンセノサイドの特異な性質とは

とすると、「高麗人参の漢方サプリメントは身体を『まったり』させることはできる、けれども『シャキッと』させることはできない」と思われるかもしれません。けれどこれも実は間違いなのです。

びっくりする女性
ジンセノサイドには大変面白い性質があります。
ジオール系とトリオール系の配合バランスがほぼ等しいものを摂取すると、摂取した人が低血圧なら血圧を上げ、摂取した人が高血圧なら血圧を下げる効果を発揮する、ということが実験の結果分かっているのです。つまり、摂取した人の血圧を自ら感知し、正常範囲内に収まるように調整してくれるということ。
もちろん、配合バランスが均等ではなく、4:6や3:7などに偏ってくれば、比率の高い方の成分が優位になってきます。例えば、シャキシャキタイプのトリオール系が多いものを摂取すると、低血圧の人の場合は血圧が上がるのでいいのですが、高血圧の人の血圧を下げることはできません。

血圧下げても免疫下げるな!商品選びは難しい

高血圧の人が飲むべきなのは、まったりタイプのジオール系ジンセノサイドがより多く含まれているサプリメントです。2種類のジンセノサイドを葉や実の部分からうまく取り出し、工場で5:5に配合しなおしてサプリメントとして生成することができればよいのですが、そうはいかないのが難しいところ。

トリオール系ジンセノサイドとジオール系ジンセノサイドはそれぞれバラバラに存在しているのではなく、お互いくっつきあっています。強固に合体していて分離することができないため、実や葉から都合よく「ジオール系だけ」あるいは「トリオール系だけ」を抽出してサプリメントへ生成することができないのです。
手で×をつくる女性
では、「ジオール系ジンセノサイドが多い根っこの部分から抽出した成分で作られたものを飲めばいい」ということになりそうですが、単純にそうとも言い切れません。
実は、まったりタイプのジオール系ジンセノサイドは身体のバリア機能を抑制する働きも併せ持っています。したがって、高血圧の人が高血圧のみならず「プラスα」の病気を持っているような場合は、免疫力が低下してしまい、身体全体の不調を招きかねないのです。

高血圧にはコレ!その名も「プレミアムジンセノサイド」

紹介する女性

実や葉メインのサプリメントはシャキシャキ系優位の配合なのでNG。根っこの部分はまったり系優位の配合ではあるけれど身体のバリア機能まで下げてしまう可能性があり、お勧めできない…であれば一体、高血圧の人は何を摂取したらよいのでしょうか?
答えは、「プレミアムジンセノサイド」にあります。
プレミアムジンセノサイドは、ほんのわずかながら高麗人参の根に含まれているもの。ジオール系とトリオール系の配合率が5:5である、まさに貴重なジンセノサイドです。
紅参と呼ばれる状態になった高麗人参に多く含まれています。これは、古くから最高級品と言われている6年物の高麗人参の根っこ(6年根)を、長い時間をかけじっくりと乾燥させて作り上げたもの。高麗人参の中でも最も優れた力を持つものです。
この6年根の紅参の中から、手間暇かけてプレミアムジンセノサイドを抽出した漢方サプリメントが「高麗人参3大ブランド」といわれている
  • 正官庄
  • 金氏高麗人参
  • 紅麗珠
です。

どれを飲む?高血圧患者の間違いないサプリ選び

悩む女性

この3つのうち、高血圧の人が飲むべきサプリはどれでしょうか。検証していきましょう。
まず、「紅麗珠」はあまり高血圧患者むきではありません。確かにプレミアムジンセノサイドを多く含んではいますが、この商品のメインターゲットは低血圧で冷え性の女性
したがって、なるべく循環をよくするために高麗人参の実の部分(トリオール系ジンセノサイド)を多めに含有しています。高血圧へのアプローチ力はあまり期待できないといえるでしょう。
残る「正官庄」と「金氏高麗人参」の力は互角です。品質やプレミアムジンセノサイド含有量はどちらも変わりません。違いがあるのは価格です。韓国のナンバーワンブランドでもある正官庄のほうが、ブランド代が価格にプラスされているため割高になっています。
懐に余裕があり、値段を気にせず購入できるならブランド重視で正官庄を。
節約派のしっかりさんなら実力で引けを取らない金氏高麗人参を。それぞれの好みや状況で選択するとよいでしょう。

高麗人参が血圧にアプローチするメカニズム

では、高麗人参が高血圧にどのように働きかけるのか、そのメカニズムに迫ってみましょう。

教えてくれる看護師さん
高血圧は、本態性高血圧二次性高血圧の二つに分けられます。
本態性高血圧とは、原因のはっきりしない高血圧症で、約9割の患者が本態性高血圧症と診断されています。血圧を上げるいくつかの要因が複雑に絡み合って発症します。血圧を上昇させる要因には、大きく分けて遺伝的素因と環境因子に分けることができます。
(参照:http://www.byouin.metro.tokyo.jp/eiyou/kouketsuatsu.html
例えば、
  • 交感神経の機能が亢進している
  • 血管を収縮させる物質が増加している
  • 血管を拡張させる物質が減少している
  • ホルモンの関係
  • 血管の反応性が亢進している
  • 末梢血管の抵抗が上がっている
  • 体内を循環する血漿の量が増えている
などの因子で、血圧は上昇します。
つまり、これらの因子を取り除けば、高くなりすぎた血圧を正常値に導くことができるというわけです。

ココにアプローチ! ①自律神経

ジンセノサイドは自律神経に働きかけます。交感神経と副交感神経のバランスを整えるのは得意中の得意技です。交感神経が亢進することによる血圧の上昇を抑え、安定した数値を保つ手助けをしてくれます。

ココにアプローチ! ②血管の太さと赤血球

血圧には血管の径も密接にかかわってきます。血管が広がれば血圧は下がりますし、収縮すれば上がります。同じ量の水を流す場合、太いホースなら水圧は下がり、ホースをギュッと握りしめて収縮させると水圧が上がって勢いよく水が出る…というのを想像すればイメージしやすいでしょう。

高麗人参は、ホースを広げるのに一役買ってくれるのです。
そればかりか、血液の中の赤血球にもアプローチ。
赤血球が本来持っている変形力を保つため、血液が血管内で詰まらないようサラサラの状態を維持できます。これにより、血圧の上昇も抑えることができます。

ココにアプローチ! ③血小板と血栓融解

サラサラを保つもう一つの働きかけに、血小板への作用があります。血小板は本来、怪我をして出血した時などに患部に集まり血を固める働きを持つ成分です。これが血液中で過剰に増えると、血液の粘着性が上がってしまいますが、高麗人参がそれを抑え、適切な量に整えてくれるのです。さらに、最近の研究では血栓の融解にも間接的に関与していることが判明しました。

以上のように、様々考えられる本態性高血圧の因子に働きかけて、全身バランスをちょうどよい状態に保つためのお手伝いをしてくれるのが高麗人参なのです。

併用禁忌にご用心~ワーファリンと高麗人参

注意マーク

このように高麗人参は非常に魅力的なアイテムですが、ひとつだけ気をつけなければならないことがあります。それは処方薬との併用です。
高血圧症の患者さんの中には、血液をサラサラにさせるための薬を医師から処方されている人が稀にいます。大動脈や脳血管などの病気の予後で、特に血栓を防がなければならないような場合です。
中でもワーファリンは大変繊細な薬。納豆やブロッコリーなどの摂取、他の薬との併用などで効き目が急激に強まったり弱まったりしてしまいます。併用禁忌の薬の種類は多く、医師や薬剤師でも頭を悩ませてしまうことがあるほどです。
このため、高麗人参の摂取も慎重にならなければなりません。ワーファリンを服用している場合は、必ず医師に相談し指示を仰ぎましょう
関連記事(当サイト内の記事に飛びます)
高血圧は国民病!?気になる血圧、下げる方法と対策まとめ

まとめ

今回は、高血圧と高麗人参の関係を掘り下げて解説しました。専門的で少し難しい部分もあったので、最後にざっくりと内容を振り返っておきましょう。

説明する看護師さん
高麗人参の有用成分であるジンセノサイドには2種類ありましたね。身体をシャキッとさせるトリオール系と、身体をまったりリラックスさせるジオール系です。
高血圧の人が摂るべき高麗人参は、トリオール系とジオール系が5:5の割合で配合されているサプリメント。しかし、この2種類は分離させることができないため、都合よく抽出・配分させてちょうどよいサプリメントを作るのは不可能だということも述べてきました。
このため、トリオール系とジオール系が最初から5:5の割合で含まれている「プレミアムジンセノサイド」が高血圧患者には必要です。プレミアムジンセノサイドは最高級レベルの高麗人参といわれる紅参に多く含まれています。摂取するなら紅参を主成分とした漢方サプリメントを選べば、身体のバリア機能を損なうことなく血圧を整えられるというわけです。
逆に、どんなに高級な6年根であっても、そのまま食べたりお酒につけて飲んだりするだけではダメ。血圧は整えられますが、身体のバリア機能も損なってしまいます
また、漢方サプリメントでも低価格の商品には葉や実などの部分が原材料に使われ割れています。これらの部分にはプレミアムジンセノサイドはほぼ含まれていません。シャキシャキタイプのトリオール系ジンセノサイドが多く含有されているため、当然のことながら高血圧患者が摂取するべきものではありません。
高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの原因となる怖い病気です。しかしながら現代の西洋医学では降圧剤でムリヤリ血圧を下げるしか対処法がなく、根本的な治療ができません。そのうえ降圧剤は一度飲みだすと一生続けなければなりません。副作用も大いに気になります
一方で東洋医学界のトップバッターともいえる高麗人参には副作用がありません。ムリヤリ血圧を抑え込むわけでもなく、身体のバランス調整という観点から緩やかに作用してくれます。商品選びさえ誤らなければ、めぐり調整にはピッタリの完全食品なのです。
丸を指で作る女性
大切なのは「知る」ということ。ジンセノサイドについての正しい知識を持ち、「プレミアムジンセノサイド」の存在を知っていれば、高血圧患者にぴったりの高麗人参サプリメントを選ぶことができます。また、高麗人参に血圧を下げる効能があることを検証した論文は、国内外問わず多く存在します。血圧で悩んでいたり、降圧剤を一生飲み続けることに不安があったりするならば、まずは論文を検索してみるとよいかもしれません。
よく調べ、よく知り、よりよい商品を選択できること。それは情報社会といわれる現代で私たちに最も必要なことのひとつといえるでしょう。

P. S.

高麗人参サプリ売り上げNo.1は?


高麗人参は滋養強壮剤や、栄養補給系ドリンクなどには必ずといっていいほど含まれていることから分かるとおり、漢方の滋養強壮最上級成分となっています。
それゆえに高麗人参関連の商品はたくさん市場に出回っていて「いったいどの商品を選ぶべきなのか」と誰もが迷ってしまいます。
そんな時は「市場シェア」を参考にして決めるのが失敗しない買い物の仕方かも知れません。高麗人参の市場シェアを調査してみたところ「正官庄」という商品が10年連続で世界売り上げNo.1のようです。ご参考までに。